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念書も契約書ですか?

Last-modified: 2012-09-25 (火) 15:16:55 (2552d)
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  • 一般的に念書というと、迷惑をかけた相手にもう二度とこのようなご迷惑はおかけしません、いつまでに損害賠償します、といった内容で、署名捺印するようなものが思い浮かびますね。相手の名前は書いてありますが、確かに内容を一方的に宣言しているだけで、双方の合意がなされているようには見えません。従って、これは契約書にはあたらないのではないか、というのがご質問の趣旨です。
  • 契約書とは契約の内容を書き留めて、後日、契約内容での食い違いを防ぐために作成する文書ですから、まず、念書という形式が契約書にあたるのか?という形式検討の前に、その内容である「契約とは何か?」ということを考えてみます。
  • 契約とは「申込みの意思表示と、それに対する承諾の意思表示の合致により成立する、法的拘束力のある約束。」と用語集にもあるように、意志の合致による約束です。例えばAさんが「Serverのメンテナンスを100円でします。」と言って(申込)、Bさんが「それならばお願いします。」(承諾)と言えば、契約は成立します。ここで、この内容を記した契約書の存在の有無と、この契約の成立とはまったく関係ありません。契約書がなくても契約そのものは合法的に成立しているのです。
  • そこで、先ほどの念書を考えてみると、念書とは「迷惑をおかけして大変申し訳ございません」というお詫びの表明と、「いつまでに弁償します」という損害賠償の意思表示、弁償する相手の名前があって、自分の署名捺印があるものです。相手の住所や捺印が無くても、この念書を迷惑をかけた相手に渡し、相手が内容について納得し了解したとすれば、念書は契約内容・条件を記した契約の「申込」にあたり、相手の了解は契約の「承諾」に該当します。契約は当事者の合意で成立しますので、この場合、念書はその条件を記したまさに「契約書」と言っても差し支えないでしょう。つまり、契約書とか、覚書とか、念書とかさまざまな呼び方はあっても、双方の合意内容を記した文書は契約書になるわけです。発注書や注文書も片方の記名押印だけですが、それに基づいて注文請書がなくても売買契約は成立するわけです。
  • 国税庁のTAXアンサーというHPには、印紙税の観点から契約書の意義として、次のような解釈をあげています。
    • 契約書とは、契約証書、協定書、約定書その他名称のいかんを問わず、契約(その予約を含みます。以下同じ。)の成立若しくは更改又は契約の内容の変更若しくは補充の事実(以下「契約の成立等」といいます。)を証すべき文書をいい、念書、請書その他契約の当事者の一方のみが作成する文書又は契約の当事者の全部若しくは一部の署名を欠く文書で、当事者間の了解又は商慣習に基づき契約の成立等を証することになっているものも含まれます。
  • ところで、当初の念書に相手が勝手に要求を書き加えてしまったらどうなってしまうでしょうか?こちらには、念書の内容が変更されたという証明がありません。例えばコピーをとっていても、相手が「特定の条項を消してコピーを取ったのだ」と言い張れば、水掛け論になってしまいます。そうした意味では契約内容を記した文書を双方が保有し、それぞれに記名押印するというのは、非常に重要だということが分かります。