トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS

アップル対サムスン知的財産権係争(2012年9月26日)

Last-modified: 2012-09-26 (水) 17:39:07 (2401d)
Top / アップル対サムスン知的財産権係争(2012年9月26日)

旬なコラム FrontPage

 
 

大きな知的財産権係争が起こっています。

 アップルとサムスンのスマートフォンに関する特許とデザインに関する係争で、2012年8月24日に出たアメリカ連邦地裁の判決では、サムスンに約830億円の損害賠償命令が出ています。その後すぐの27日に、アップルはサムスンに対する米国での販売差し止めを求める申請を連邦地裁に出しています。この830億円の損害賠償は、過去最大級の高額な知的財産権係争になっていますし、販売差し止めになれば大変な影響が出てくるものと思われます。

世界10カ国で50件以上の係争

 このアップル対サムスンの係争は、昨年の4月頃から、世界の10カ国で、アップルとサムスンの両社が訴え合っていて、訴訟件数は全部で50件を超えているようです。

 この中で、既に何件かの判決が出ています。

 先ず今年の7月にイギリスの高等法院判事が「GALAXY Tabs were "not cool" enough to be mistaken for iPads.」(GALAXY TabはiPadと見間違えるほどカッコ良く(クールで)ない」とアップルの請求が退けられました。

 韓国では、アメリカと同じ8月24日に判決が出ており、3件の争点に関して、アップルの1勝2敗の判決で、アップルに約280万円、サムスンに約150万円程度の損害賠償命令の判決が出ています。

 8月31日には東京地裁の判決がありましたが、アップルの訴えを退ける判決が出ています。

 今後も続々と判決は出てくると思いますが、アメリカの830億円の損害賠償などは、当然ながら控訴されますのでまだまだ係争は続いていくと思われます。

iOSとAndroidの代理戦争

 このアップル対サムスンの戦争は、実はアップル対グーグルの代理戦争とも言われています。これは、iPhoneのiOSとAndroidの戦いのようでもあるようです。

 Googleの現会長エリック・シュミット氏は、プログラム技術者ですが、ATTやSun Microsystemsを歴任してきた人で、Javaの開発もした人です。エリック・シュミット氏は、GoogleのCEOであった時に、アップルの社外取締役も努めていました、その中で、Chromeや Andoroidを開発したこともあって、アップルの社外取締役を退任したのですが、アップルの元会長スティーブ・ジョブス氏が生前に、「アップルを真似た、潰してやる。」と言っていたようです。

今回の争点でのトピック

 今回の係争では、アップルのオリジナルをサムスンが侵害したと言われていますが、実際の係争の中で色々なことが分かってきています。

 一つは、スマホで二本の指で画面を広げたり、狭めたりする機能がありますが、これを「マルチタッチ」と言っています。この特許は元々、三菱電機が持っていたもので、アップルのオリジナルでないとサムスンは主張しているようです。

 また、iPhoneのデザインは、元パナソニック出身の日本人デザイナーでアップルに移った人がデザインしたと言われていますが、「ソニーがiPhoneを作るとしたら、どうなるか」と言われてデザインしたと言われています。そういえばiPhoneの外枠は、SonyのPSPになんとなく似ているような気がします。

係争の多発化と今後

 ここのところ特許係争がない週は無いと言われていて、少し前にもYahooとFacebookの特許係争が起きています。その他にもMicrosoftとMotorola、OracleとGoogle等の特許係争が起きていて、小さい係争はかなりの数で起こっています。

 また、パテントトロール(いわゆる「特許ゴロ」)が、特許をネタに紛争を持ちかけ、企業から金を巻き上げることも多くなってきています。パテント・トロールがデジカメ特許で日本の2社の電気メーカーからそれぞれ12~13億円程の賠償を受けとったようなケースも出てきています。

 知的財産権制度は、発明や創作した人へのインセンティブによって、更なる発明、創作を促して、合わせて産業や文化の発展を促すのが目的ですが、どうも企業間競争の道具とか武器に使われているケースや単なる金銭目的のみでの権利乱用が目立ちます。最近は、この点での行き過ぎに対する反対論も多くなってきています。(k2)