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どれが早いの?直ちに、速やかに、遅滞なく・・・

Last-modified: 2012-09-25 (火) 09:17:08 (2484d)
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契約に関するミニ知識 FrontPage


  • スグにやらなければならないという意味では、直ちに>すみやかに>遅滞なくという順番になります。
  • そうなると「直ちに」って、何日くらいを表すの?という疑問が沸いてきますね。これについては、以下のような大阪高等裁判所の判例があり、「直ちに」=X日と定めることについては「複雑多岐にわたる社会生活事象に照らせば、現実に不可能、不適当」としています。要するに、目的や状況に応じて考えるべきという訳です。
  • 例えば、「直ちに瑕疵の修補を行うものとする」という契約をユーザと交わしたとしても、単純な画面に表示されている文字が誤っていたという不具合と、必要な機能要件がまったく実装されていなかったというものでは、不具合を直す=瑕疵の修補の期間が異なります。
  • 一方で、「直ちに」ということであれば即日アクションするという雰囲気は比較的共有されている時間的概念ということもできます。「速やかに」といわれて何も音沙汰なく1週間かかったとすれば、不愉快に感じる方も多いのではないかと思いますが、毎日、状況の丁寧な報告があり、結果、1週間かかったとしても、トラブルにはならず、顧客の満足度も高まるのではないでしょうか。
  • こうしてみると、契約上の文言として、杓子定規に日数を決めつけるのではなく、顧客に対して組織的にどのようなアクションができるのか、という観点で「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」を定義し、使い分け、難しい場合はSLA (Service Level Agreement)で、数値をコミットする保証値もしくはコミットしない目標値を提示してはいかがでしょうか?



  • 参考:昭和37(う)1550 銃砲刀剣類等所持取締法違反被告事件 昭和37年12月10日 大阪高等裁判所
    • 「すみやかに」は、「直ちに」「遅滞なく」という用語とともに時間的即時性を表わすものとして用いられるが、これらは区別して用いられており、その即時性は、最も強いものが「直ちに」であり、ついで「すみやかに」、さらに「遅滞なく」の順に弱まつており、「遅滞なく」は正当な又は合理的な理由による遅滞は許容されるものと解されている。ところで「すみやかに」というのは、「何日以内に」という数量的な観念とちがつて、価値判断を伴う用語であつて、その判断には解釈を必要とするのであるが、このことは「直ちに」「遅滞なく」についても同様であり、さらに広く法律用語の大部分についても共通の性格であつて、ひとり「すみやかに」の用語にのみ限られたものではない。一定の行為を命ずる場合に「何日以内」というような確定期限をもつてするか、或いは「直ちに」「すみやかに」というような定め方をするかは、その法令の立法趣旨、要求される行為の直接の目的、性質、方式等によつて合目的的合理的に考えらるべきであつて、作為又は不作為を命ずる場合に確定期限による定め方のみですべての場合に対処することは、複雑多岐にわたる社会生活事象に照らせば、現実に不可能、不適当であることは明らかである。