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そういえば気になるところ

Last-modified: 2013-01-10 (木) 06:57:38 (2446d)
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会社が契約するときに、記名押印できる人は?

  1. 会社が当事者となる契約書には、会社の代表取締役の記名押印があることが多いですが、ときには支店長や部長が記名押印することもあります。契約書の効力を、当事者である会社に及ぼすためには、記名押印をする人に会社の代理権(代表権)がなければなりません。代表取締役に代表権があるのはよく知られていますが、他にどのような人に権限があるのでしょうか。
  2. まず、会社法は、支配人に会社の代理権があると規定しています(会社法11条1項)。支配人とは、具体的には「支店長」や「所長」のように、本店や支店における事業を包括的に任されている人のことであり、その本店や支店における事業に関して、会社の代理権を有しています。 ところで、会社から名目的に「支店長」という役職名を与えられているものの、実際にはそのような権限のない人と契約をした場合はどうなるのでしょうか?会社法第13条は、取引の安全を図るために、そのような紛らわしい名称が付された者は、支配人と同じ代理権を有するものとみなすこととしています(「表見支配人」といいます。)。そのため、「支店長」「支社長」「営業所長」「営業本部長」「出張所長」「事務所長」といった役職名を、箔を付けるつもりで従業員に与えてしまうと、その従業員は会社の代理権をもってしまうので注意が必要です。ちなみに、「副支店長」「支店長代理」「営業部次長」といった名称であれば、さらに上席者がいることがわかるので、表見支配人にはならないと解釈されています。
  3. 次に、事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人も、その事項については会社の代理権を持つことになります(会社法14条1項)。一般的には、部長、課長等の役職者がこれにあたります。 しかし、ある役職者が社内的にどの程度の権限をもっているか、外部からは不明です。例えば、資材の仕入れ一般を委ねられている資材課長の権限に、実は「一定の取引額以上の場合は上司の決裁を要する」という社内的な制限があったとしても、社外からそのような事情はわかりません。そのような内部事情で契約を反故にされると、安心して取引することができなくなるため、会社法第14条2項は、会社が取引権限を内部的に制限しても、その制限を知らない取引相手には、その制限を対抗できない(主張できない)としています。上記の例でいえば、社内的には上司の決裁が必要な取引でも、取引相手がそのような制限を知らなければ、資材課長には取引権限があったものとして扱われ、契約の効果が会社に及ぶことになります。